平成18年11月12日(日)広島市中央公民館において、『第23回 広島市中学校総合文化祭 話し方の部発表会』が開催されました。本校からは、2年 岡本 一平 君、1年 宮本 梨香 さんが出場し、学校賞を受賞しました。
 
  米作りに学んだこと  安佐北中学校2年  岡本 一平

 僕は、米に対する思い入れがあります。それは、祖父母と我が家親戚一同の総勢十一名で米作りをしているからです。
 僕は三歳ぐらいから米作りを手伝っています。今までずっと手伝ってきましたが、一番きついのは、機械が入らない田んぼの端や角の部分に手植えをしなければならない時です。腰をかがめて間隔を確かめながら植えたり、植える苗の数を確認しながら植えたりと、大変ではありますが、やり終えた時の達成感は言いようがありません。
 うちの米作りは、いろいろなところにこだわりを持っています。といっても、それは実際に昔の人が行っていたことです。稲の苗は種籾から育て、コンバインでなく稲刈り機を使って稲刈りをし、機械が入らなければ手刈りを行い、刈りとったらはぜにかけて天日で干し、それから脱穀します。しかも、田植えは苗の生長の具合を優先し、稲刈りも稲の育ち方を見て行うので、平日とか休日とか関係なしです。これが、まさに「こだわり」だと言えます。
 この作業の楽しさは、米作りを手伝ったことのある人にしかわかりません。ただ、これ以外にも僕が手伝わない部分の作業がたくさんあります。水量の調整や雑草とり、農薬の散布、台風の時の管理、あぜの整備のほか、「米」の文字の通り、八十八の手間がかかると祖父母から聞きました。
 そんな手間を噛みしめながらご飯を食べると、とてもおいしいです。うちは二分づきの米を食べていますが、最近は精白米を食べる家が多いらしいです。確かに精白米の方がきれいですが、二分づきや五分づきの方が栄養をより多く取ることができて、身体にいいのです。
 ところで、最近は米作りに八十八以上の手間をかけなければいけないことが多いです。数日の間に大量のウンカという虫が大発生して米にまとわりついたり、稲刈りの前に台風が何度も来て、稲が倒れ、泥だらけになったり。稲を刈った後でもスズメが群がって米粒を食べてしまったり、台風がまた来てはぜが倒れ、また泥だらけになったり。
 七十年以上米を作っている祖父でさえ、経験したことのないこともあったようなので、最近祖父は、米作りをやめようかと何回か口にしています。ですが、祖母が
「将来食糧難になって、米が足りなくなった時にも困らないように。」
と言っているので、僕たちは、十一人という少人数であっても、毎年協力してがんばっています。
 手間が普通よりかかっても、できるだけ自然に逆らわずに自然と共生できる米作りをしているので、田植え後の田んぼには、生き物があふれています。例えばホウネンエビや大量のオタマジャクシ。夏には耳をつくほどの音量で鳴くカエルがたくさんいます。稲刈りの後にも、バッタやキリギリスなど、たくさんの虫がいて、いろいろな草花も生えています。そして、無駄のないように、米ぬかやわらを切ったものは、肥料にしています。それが自然と共存し、かつ守ることにつながっていると思います。
 このような自然と共存できる環境が身近にあり、それを体験できることを、僕は嬉しく思っています。これから、うちのように、昔から日本人がやってきた米作りをする農家が増えていってくれればいいと、僕は思います。

  三秒間のために  安佐北中学校1年  宮本 梨香

 「一、二、三。」みなさんは、この三秒間に私達の暮らしている地球で、どのようなことが起こっていると思いますか。この地球の小さな子供が、一人亡くなっているのです。
 これは、小学校の道徳の時間に学習したことでした。飢えや貧困によって苦しんでいる人がたくさんいて、どこかで涙を流しているなんて、日本で暮らしている私には、遠い話のように感じられました。
 しかし、去年の夏、私はおじが住んでいる南アメリカ大陸のボリビアという国に、一か月くらい滞在することになりました。この国は、まだインディオが住んでいたり、アマゾンにつながった川ではピラニアやワニが出たり、ゴルフ場にはダチョウが走っていたり・・・と、日本とは全く違う暮らしで、私は驚くことばかりでした。
  この国は、貧しい国でした。日本では当たり前のようになっている義務教育がなく、貧しい家の子供は汚れた服を着て、必死で働いていました。道端で物を売ったり、車の見張りをしたり、お金をめぐんでもらう人もいるのです。私は町の中で、知らない人に手をさし出されました。私には分からないスペイン語でしたが、お金をめぐんでほしいと言っていることは分かりました。知らない人で、怖い気持ちもあったけど、その人のことを気の毒に思う気持ちの方が強く感じられました。
 ある日、小さなマーケットの前に車の見張りの子供達がいました。よく見ると、その子達は手話をしているのです。耳が聞こえないのでしょうか。それとも、何かほかに理由があるのでしょうか。もしも耳が聞こえないのだとしたら、障害があっても他の子と同じように働いているんだ・・・と思い、私は感心しました。
 夜になり、空を見上げると、私はあることに気づきました。それは、星が見当たらないということでした。なぜこの国の空には星がないのでしょう。これは、焼き畑農業などによって空が曇るから、とのことでした。焼き畑農業は、風が強いと、火が恐ろしい勢いで燃え広がるので危険ですし、地球環境にも悪い影響を与えます。にもかかわらず、この国では多くの人が焼き畑農業をして生活しています。
 どうしてこのようなことが起きるのか考えてみると、義務教育がないので、教えてもらってないんだ・・・ということにつながりました。私は教育というものの大切さを改めて感じました。学校に行けず、働かなくてはいけない子供達のためにも、このボリビアという国が豊かになり、みんなが貧しさから脱出できるようになってほしいと思いました。この滞在で、私はたくさんのことを学びました。道徳で学習した三秒間の話が、身近に考えられるようになりました。
 しかし、世界中には、そんな子供達を救おうとしている人々がいます。その人達は、チャイルド・スポンサーといい、子供達の支援をされています。また、私の親戚のお姉さんは、アフリカで、自分の開発した薬で人々を救うのが夢だそうです。
 私はまだ中学一年なので、大きなことはできませんが、この体験を生かして、いつか少しでも役に立つことができたら・・・と思っています。世界中のどの子供にとっても、「一、二、三。」の三秒間が幸せな時になることを願います。

 

 

 

 


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